ハヤカワ文庫から出ている、アイザック・アシモフ著のエッセイシリーズの一つだが、
このシリーズ、好きな本の一つで、何度か読み返している。
この本の最初の方で、暦に関する歴史的な物が紹介されているが、
これを読むたびに、歴史上の史実の日付の扱いに疑問を感じる。
現在、一般的に使われているグレゴリウス暦は、
1582年10月5日(ユリウス暦、、、グレゴリウス暦では1582年10月15日)に
作られた物だがイタリア、スペイン等一部だけで、まだ他の国では使われていなかった。
つまり、それ以前の物では、現在の暦とあわないことになる。
日本の場合は、元号を使う事により、若干の混乱を防ぐ事が出来るようだが。
例えば、本能寺の変は、6月2日に謀反を起こした事で知られるが、
ここで2日というタイミングが当時の環境を想像させる。
当時、日本では旧暦として、月の満ち欠けを表した暦を使っていたわけで、
日付がそのまま月齢と、ほぼ等しくなる。
つまり2日は、かなり薄い月で、夜になると、ほとんど光がない状態になる。
これが、グレゴリウス暦での6月2日では、気候くらいしか表現できない。
また、グレゴリウス歴以前には暦が安定せず、長期的に見れば1年以上のずれも
あったりもする。
となると、過去の人を表すのに、○年○月○日〜○年○月○日と書いて、
何年生きたというのも、微妙な話になるかも。
ワシントンなどは、自分の誕生日をグレゴリウス暦に換算した日付に
変更しているようだけれども、ほとんどの人は、そんな事はしていないと思う。
まぁ、暦自体が、天体の動きを基準にした不安定な物だから、
細かいことを言えば、どうでも良いのかもしれないけど。
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